VDSLってどういう仕組みだろう?VDSLの解説

vdsl

VDSLとは

VDSLとはVery high bit rate Digital Subscriber Line(ベリーハイビットレート・デジタル・サブスクリバ・ライン)の略で、ADSLと同じメタル回線(電話回線)を利用して高速な通信を実現する通信方式です。

同じメタル回線を利用していますがVDSLとADSLでは「通信速度」と「通信距離」が大きく違ってきます。

まずADSLの最大通信速度は下りで50Mbps程度、上りで5Mbps程度ですが、VDSLは下り100Mbps程度、上り40Mbps程度の高速通信が可能です。
逆に通信距離はADSLの方が優れていて、VDSLでは数百メートル程度の距離でしか通信が出来ません。

これはメタル回線で高速通信を実現するためにADSLより高く幅広い周波数帯域の信号を利用することの弊害で、通信距離に応じて高い周波数帯の信号が減衰してしまったり、経路上のノイズの影響が出やすくなるためです。

そのため品質を担保しつつ通信が可能な距離として数百メートル程度が限界となってしまうのです。

VDSLが活躍するのがマンションなどの集合住宅

高速でありながら通信距離が短いと言う特性から、VDSLは主に集合住宅などの構内接続用回線として利用されるのが一般的です。

光回線で利用される光ファイバーは非常にデリケートな性質なので、集合住宅などの限られた環境では安全に光ファイバーを配線する余裕がない場合があります。

そのため集合住宅の場合は集合住宅の共用部まで光ファイバーを配線し、そこから電話回線を利用したVDSLで各部屋へ分配・配線することが一般的となっています。

VDSLは光ファイバーのように配線上の制限が無い上、基本的に電話線は建設時に配線されているため新たな工事が必要ないなど集合住宅と非常に親和性の高い回線といえるでしょう。

VDSLの通信速度は光回線には到底及ばない

しかしながらVDSLの通信速度は最大でも100Mbps程度であり、現在主流となっている200Mbpsのフレッツ光ネクスト ハイスピードや、1Gbpsのフレッツ光ネクスト ギガラインなどに対応することは出来ません。またメタル回線を利用していることでADSL同様ノイズの影響が生じる可能性もあります。

更には集合住宅の共用部で1本の光ファイバーを共有する形となるので、別な部屋で過度に利用されたりすると通信速度に影響が及ぶ場合ががあります。

逆に別な部屋でインターネットを利用していない場合は回線を独り占め出来る可能性もありますが、こればかりは運としか言い様が無いでしょう。

集合住宅の状況により個別に光ファイバーを配線できるかどうかが決まりますが、常にいい環境でインターネットをしたいのであれば光回線であるに越したことはありません。

ご自身の集合住宅が対応可能かどうか都度確認することも必要ですし、引っ越しを検討されている場合は光ファイバーが配線可能かを条件に加えてもいいと思います。

VDSLを少しでも快適に使うためには

光回線に対応できないし引っ越しも出来ないという場合、光回線に比べて上限100Mpbsというハンデを背負うことになってしまいます。

そんな時はプロバイダーを慎重に選ぶことで通信速度のハンデを減らすことが出来ます。

規制なし制限なしのプロバイダーであれば集合住宅でVDSLといえどもそれなりの通信速度が期待できるでしょうから、上手くすれば1Gbps回線で遅いプロバイダーを使う場合より速い通信速度を実現できるかもしれません。

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